イントロダクション
ローカル開発環境を含め、PHP開発全体を愉快なものにしようとLaravelは努力しています。Vagrantは、仮想マシンの管理と事前設定を行う、簡単でエレガントな手段を提供しています。
Laravel Homestead(入植農地、「ホームステード」)はパッケージを事前に済ませた、Laravel公式の"box"で、PHPやWebサーバ、その他のサーバソフトウェアをローカルマシンにインストールする必要なく、素晴らしい開発環境を準備できます。オペレーティングシステムでごちゃごちゃになる心配はもうありません! Vagrant boxは完全に使い捨てできます。何かの調子が悪くなれば壊して、数分のうちにそのboxを再生成できます!
HomesteadはWindowsやMac、Linuxシステム上で実行でき、Nginx WebサーバとPHP7.3、PHP7.2、PHP7.1、MySQL、PostgreSQL、Redis、Memcached、Node、他にも素晴らしいLaravelアプリケーションを開発するために必要となるものすべてを含んでいます。
Note: Windowsを使用している場合は、ハードウェア仮想化(VT-x)を有効にする必要があります。通常、BIOSにより有効にできます。UEFI system上のHyper-Vを使用している場合は、VT-xへアクセスするため、さらにHyper-Vを無効にする必要があります。
含まれるソフトウェア
- Ubuntu 18.04
- Git
- PHP 7.3
- PHP 7.2
- PHP 7.1
- Nginx
- Apache (オプション)
- MySQL
- MariaDB (オプション)
- Sqlite3
- PostgreSQL
- Composer
- Node (Yarn、Bower、Bower、Grunt、Gulpを含む)
- Redis
- Memcached
- Beanstalkd
- Mailhog
- Neo4j (Optional)
- MongoDB (Optional)
- Elasticsearch (オプション)
- ngrok
- wp-cli
- Zend Z-Ray
- Go
- Minio
インストールと設定
最初の段階
Homestead環境を起動する前にVagrantと共に、VirtualBoxか、VMWare、Parallels、Hyper-Vをインストールする必要があります。全ソフトウェア共に簡単に使用できるビジュアルインストーラが、人気のあるオペレーティングシステム全てに用意されています。
VMwareプロバイダを使用するには、VMware Fusion/WorkstationとVMware Vagrantプラグインを購入する必要があります。無料ではありませんが、VMwareが提供する共有フォルダは最初からよりスピーディーです。
Parallelsプロバイダを使用するには、Parallels Vagrantプラグインをインストールする必要があります。これは無料です。
Vagrantの制限のため、Hyper-Vプロバイダはすべてのネットワーク設定を無視します。
Homestead Vagrant Boxのインストール
VirtualBox/VMwareとVagrantをインストールし終えたら、laravel/homestead
boxをVagrantへ追加するため次のコマンドを端末で実行する必要があります。boxをダウンロードし終えるまで、接続速度にもよりますが数分かかるでしょう。
vagrant box add laravel/homestead
このコマンドが失敗する場合、Vagrantを更新する必要があります。
Homesteadのインストール
リポジトリをクローンし、Homesteadをインストールできます。自分の「ホーム」ディレクトリの中のHomestead
フォルダへリポジトリをクローンするのことは、自分のLaravel(とPHP)の全プロジェクトをホストしておくHomestead
Boxを用意するのだと考えてください。
git clone https://github.com/laravel/homestead.git ~/Homestead
master
ブランチは常に安定しているわけではないため、バージョンタグがついたHomesteadをチェックアウトすべきでしょう。最新の安定バージョンは、GitHubのリリースページで見つかります。
cd ~/Homestead
// クローンしたいリリースバージョン
git checkout v8.0.1
Homesteadリポジトリをクローンしたら、Homestead.yaml
設定ファイルを生成するために、bash init.sh
コマンドをHomesteadディレクトリで実行します。
// Mac / Linux...
bash init.sh
// Windows...
init.bat
Homestead設定
プロバイダの設定
Homestead.yaml
ファイル中のprovider
キーは、Vagrantのプロバイダとして、virtualbox
、vmware_fusion
、vmware_workstation
、parallels
、hyperv
のどれを使用するかを指定します。使用するプロバイダの値を指定してください。
provider: virtualbox
共有フォルダの設定
Homestead.yaml
ファイルのfolders
プロパティには、Homestead環境と共有したい全フォルダがリストされています。これらのフォルダの中のファイルが変更されると、ローカルマシンとHomestead環境との間で同期されます。必要なだけ共有フォルダを設定してください!
folders:
- map: ~/code
to: /home/vagrant/code
少数のサイトを作るだけなら、この包括的なマッピングは上手く動作します。しかし、多くのサイトが継続的に成長していくに連れ、パフォーマンスの問題が発生してきます。この問題はとても大きいファイルを含むローエンドのマシンやプロジェクトで、悲痛なほど顕著に現れます。この問題が起きたら、全プロジェクトを自身のVagrantフォルダにマップしてください。
folders:
- map: ~/code/project1
to: /home/vagrant/code/project1
- map: ~/code/project2
to: /home/vagrant/code/project2
NFSを有効にするには、同期するフォルダにフラグを指定するだけです。
folders:
- map: ~/code
to: /home/vagrant/code
type: "nfs"
Note: NFSを使用する場合は、vagrant-winnfsdプラグインのインストールを考慮してください。このプラグインは、Homestead下のファイルとディレクトリのユーザー/グループパーミッションを正しく維持します。
さらに、Vagrantの同期フォルダでサポートされている任意のオプションを、options
キーの下に列挙して渡すことができます。
folders:
- map: ~/code
to: /home/vagrant/code
type: "rsync"
options:
rsync__args: ["--verbose", "--archive", "--delete", "-zz"]
rsync__exclude: ["node_modules"]
Nginxサイトの設定
Nginxには詳しくない? 問題ありません。sites
プロパティでHomestead環境上のフォルダと「ドメイン」を簡単にマップできます。サイト設定のサンプルは、Homestead.yaml
ファイルに含まれています。これも必要に応じ、Homestead環境へサイトを好きなだけ追加してください。便利に使えるように、Homesteadは皆さんが作業する全てのLaravelプロジェクトの仮想環境を提供します。
sites:
- map: homestead.test
to: /home/vagrant/code/my-project/public
sites
プロパティをHomestead
boxのプロビジョニング後に変更した場合、仮想マシンのNginx設定を更新するため、vagrant reload --provision
を再実行する必要があります。
hostsファイル
Nginxサイトの"domains"に追加したサイトをあなたのコンピューターのhosts
ファイルにも追加してください。hosts
ファイルはローカルドメインへのリクエストをHomestead環境へ転送してくれます。MacとLinuxでは、/etc/hosts
にこのファイルがあります。Windows環境では、C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
です。次の行のように追加してください。
192.168.10.10 homestead.test
設定するIPアドレスにはHomestead.yaml
ファイルの中の値を確実に指定してください。ドメインをhosts
ファイルへ追加したら、Webブラウザーでサイトにアクセスできます。
http://homestead.test
Vagrant Boxの実行
Homestead.yaml
のリンクを編集終えたら、Homesteadディレクトリでvagrant up
コマンドを実行してください。Vagrantは仮想マシンを起動し、共有フォルダとNginxサイトを自動的に設定します。
仮想マシンを破壊するには、vagrant destroy --force
コマンドを使用します。
プロジェクトごとにインストール
Homesteadをグローバルにインストールし、全プロジェクトで同じHomestead
Boxを共有する代わりに、Homesteadインスタンスを管理下のプロジェクトごとに設定することもできます。プロジェクトごとにHomesteadをインストールする利点は、Vagrantfile
をプロジェクトに用意すれば、プロジェクトに参加している他の人達も、vagrant up
で仕事にとりかかれることです。
Homesteadをプロジェクトに直接インストールするには、Composerを使います。
composer require laravel/homestead --dev
Homesteadがインストールできたら、Vagrantfile
とHomestead.yaml
ファイルをプロジェクトルートへ生成するためにmake
コマンドを使ってください。make
コマンドはHomestead.yaml
ファイルのsites
とfolders
ディレクティブを自動的に設定します。
Mac / Linux:
php vendor/bin/homestead make
Windows:
vendor\bin\homestead make
次にvagrant up
コマンドを端末で実行し、ブラウザでhttp://homestead.test
のプロジェクトへアクセスしてください。/etc/hosts
ファイルにhomestead.test
か、自分で選んだドメインのエントリーを追加する必要があることを忘れないでください。
MariaDBのインストール
MySQLの代わりにMariaDBを使用したい場合は、mariadb
オプションをHomestead.yaml
ファイルへ追加してください。このオプションはMySQLを削除し、MariaDBをインストールします。MariaDBはMySQLとそのまま置き換えられる代用ソフトウェアですので、mysql
データベースドライバをそのままアプリケーションで使用できます。
box: laravel/homestead
ip: "192.168.10.10"
memory: 2048
cpus: 4
provider: virtualbox
mariadb: true
MongoDBのインストール
MongoDBのコミュニティエディションをインストールするには、以下のようにHomestead.yaml
ファイルを変更してください。
mongodb: true
デフォルト状態のMongoDBでは、データベースのユーザー名をhomestead
、パスワードをsecret
に設定します。
Elasticsearchのインストール
Elasticsearchをインストールするには、Homestead.yaml
ファイルへelasticsearch
オプションを追加し、メジャーバージョンか、major.minor.patch形式で厳密なバージョンを指定してください。デフォルトのインストールでは、homestead
という名前のクラスタが作成されます。Elasticsearchにオペレーティングシステムのメモリの半分以上を割り当ててはいけません。つまり、Elasticsearchに割り当てる量の最低でも2倍以上のメモリをHomesteadマシンに割り当てます。
box: laravel/homestead
ip: "192.168.10.10"
memory: 4096
cpus: 4
provider: virtualbox
elasticsearch: 6
Tip!! 設定のカスタマイズについては、Elasticsearchのドキュメントを確認してください。
Neo4jのインストール
Neo4jはグラフデータベース管理システムです。Neo4jコミュニティエディションをインストールするには、Homestead.yaml
で以下の設定オプションを指定してください。
neo4j: true
デフォルト状態のNeo4jでは、データベースのユーザー名をhomestead
、パスワードをsecret
として設定します。Neo4jブラウザにアクセスするには、Webブラウザでhttp://homestead.test:7474
にアクセスしてください。Neo4jクライアントのために、7687
(Bolt)、7474
(HTTP)、7473
(HTTPS)ポートが用意されています。
エイリアス
HomesteadでBashのエイリアスを指定するには、Homesteadディレクトリにある
aliases
ファイルを編集します。
alias c='clear'
alias ..='cd ..'
aliases
ファイルを更新した後に、vagrant reload --provision
コマンドを使い、Homesteadを再度プロヴィジョニングする必要があります。これにより新しいエイリアスを使うことができます。
使用方法
Homesteadへグローバルにアクセスする
MacとLinuxシステムでは、Bashプロファイルへ簡単なBash関数を追加すれば実現できます。Windowsでは、PATH
に「バッチ」ファイルを追加すれば、行えます。以下のスクリプトはシステムのどこからでも、どんなVagrantコマンドでも実行できるようにし、自動的にHomesteadをインストール済みのディレクトリで実行します。
Mac / Linux
function homestead() {
( cd ~/Homestead && vagrant $* )
}
エイリアス中の~/Homestead
パスを実際のHomesteadインストール場所を示すように調整してください。関数がインストールできたら、システムのどこからでもhomestead up
やhomestead ssh
のように実行できます。
Windows
以下の内容のhomestead.bat
バッチファイルを、マシン上に作成してください。
@echo off
set cwd=%cd%
set homesteadVagrant=C:\Homestead
cd /d %homesteadVagrant% && vagrant %*
cd /d %cwd%
set cwd=
set homesteadVagrant=
スクリプト例中のC:\Homestead
パスは、実際にHomesteadをインストールした場所を指すように調整してください。ファイルを作成したら、PATH
へファイルの場所を追加します。これでhomestead up
やhomestead ssh
のようなコマンドをシステムのどこからでも実行できます。
SSH接続
Homesteadディレクトリでvagrant ssh
端末コマンドを実行すれば、仮想マシンにSSHで接続できます。
しかし、Homesteadマシンには頻繁にSSHでアクセスする必要があると思いますから、ホストマシンから素早くHomestead boxへSSH接続できるように、上記の「関数」を追加することを検討してください。
データベースへの接続
homestead
のデータベースは、初めからMySQLとPostgreSQLの両方を設定できます。更に便利なように、Laravelの.env
ファイルは、Laravelでこれらのデータベースが最初から利用できるように設定されています。
ホストマシンのデータベースクライアントから、MySQLかPostgreSQLデータベースへ接続するには、127.0.0.1
のポート33060
(MySQL)か、ポート54320
(PostgreSQL)へ接続する必要があります。ユーザー名はhomestead
、パスワードはsecret
です。
Note: ホストマシンからデータベースへ接続するには、標準的ではないポートだけを使用してください。Laravelのデータベース設定ファイル中では、デフォルトの3306と5432ポートを使用することができます。Laravelは仮想マシンの内部で動作しているからです。
データベースのバックアップ
Homesteadでは、Vagrant
boxを壊した時点で、自動的にデータベースをバックアップできます。この機能を利用するには、Vagrant2.1.0以上を使用しなくてはなりません。もしくは、古いバージョンのVagrantを使用している場合は、vagrant-triggers
プラグインをインストールしてください。自動データベースバックアップを有効にするには、Homestead.yaml
ファイルに以下の行を追加してください。
backup: true
一度設定すれば、Homesteadはvagrant destroy
コマンドが実行されると、データベースをmysql_backup
、postgres_backup
ディレクトリへエクスポートします。これらのディレクトリは、Homesteadをクローンしたフォルダ中、もしくはプロジェクトごとのインストールを利用している場合は、プロジェクトルートの中で見つけられます。
サイトの追加
Homestead環境をプロビジョニングし、実働した後に、LaravelアプリケーションをNginxサイトへ追加したいこともあるでしょう。希望するだけのLaravelアプリケーションを一つのHomestead環境上で実行することができます。新しいサイトを追加するには、Homestead.yaml
ファイルへ追加します。
sites:
- map: homestead.test
to: /home/vagrant/code/my-project/public
- map: another.test
to: /home/vagrant/code/another/public
Vagrantが"hosts"ファイルを自動的に管理しない場合は、新しいサイトを追加する必要があります。
192.168.10.10 homestead.test
192.168.10.10 another.test
サイトを追加したら、vagrant reload --provision
コマンドをHomesteadディレクトリで実行します。
サイトタイプ
Laravelベースではないプロジェクトも簡単に実行できるようにするため、Homesteadは様々なタイプのサイトをサポートしています。たとえば、symfony2
サイトタイプを使えば、HomesteadにSymfonyアプリケーションを簡単に追加できます。
sites:
- map: symfony2.test
to: /home/vagrant/code/my-symfony-project/web
type: "symfony2"
指定できるサイトタイプはapache
、apigility
、expressive
、laravel
(デフォルト)、proxy
、silverstripe
、statamic
、symfony2
、symfony4
、zf
です。
サイトパラメータ
params
サイトディレクティブを使用し、Nginxのfastcgi_param
値を追加できます。例として、値にBAR
を持つFOO
パラメータを追加してみましょう。
sites:
- map: homestead.test
to: /home/vagrant/code/my-project/public
params:
- key: FOO
value: BAR
環境変数
グローバルな環境変数は、Homestead.yaml
ファイルで追加指定できます。
variables:
- key: APP_ENV
value: local
- key: FOO
value: bar
Homestead.yaml
を変更したら、vagrant reload --provision
を実行し、再プロビジョンするのを忘れないでください。これにより全インストール済みPHPバージョンに対するPHP-FPM設定と、vagrant
ユーザーの環境も更新されます。
Cronスケジュール設定
schedule:run
Artisanコマンドだけを毎分実行することにより、Cronジョブのスケジュールを簡単に行う方法をLaravelは提供しています。schedule:run
コマンドはApp\Console\Kernel
クラスの定義を調べ、どのジョブを実行すべきかを決定します。
Homesteadサイトでschedule:run
コマンドを実行したい場合は、サイトを定義するときにschedule
オプションをtrue
に設定してください。
sites:
- map: homestead.test
to: /home/vagrant/code/my-project/public
schedule: true
こうしたサイト用のCronジョブは、仮想マシンの/etc/cron.d
フォルダの中に定義されます。
Mailhogの設定
Mailhogを使用すると、簡単に送信するメールを捉えることができ、受信者に実際に届けなくとも内容を調べることができます。これを使用するには、.env
ファイルのメール設定を以下のように更新します。
MAIL_DRIVER=smtp
MAIL_HOST=localhost
MAIL_PORT=1025
MAIL_USERNAME=null
MAIL_PASSWORD=null
MAIL_ENCRYPTION=null
Mailhogを設定したら、ダッシュボードへhttp://localhost:8025
でアクセスできます。
Minioの設定
MinioはAmazon
S3と互換性のあるAPIを持つ、オープンソースなオブジェクトストレージサーバです。Minioをインストールするには、Homestead.yaml
に以下の設定オプションを加えてください。
minio: true
デフォルトのMinioは、9600ポートで使用します。http://homestead:9600/
を閲覧すると、Minioのコントロールパネルへアクセスできます。デフォルトアクセスキーはhomestead
、デフォルトのシークレットキーはsecretkey
です。Minioへアクセスする場合、常にリージョンus-east-1
を使用する必要があります。
Minioを使用するために、config/filesystems.php
設定ファイルの中の、S3ディスク設定を調整する必要があります。ディスク設定へ、use_path_style_endpoint
オプションを追加し、同時にurl
キーをendpoint
へ変更する必要があります。
's3' => [
'driver' => 's3',
'key' => env('AWS_ACCESS_KEY_ID'),
'secret' => env('AWS_SECRET_ACCESS_KEY'),
'region' => env('AWS_DEFAULT_REGION'),
'bucket' => env('AWS_BUCKET'),
'endpoint' => env('AWS_URL'),
'use_path_style_endpoint' => true
]
最後に、.env
ファイルへ以下のオプションを確実に用意してください。
AWS_ACCESS_KEY_ID=homestead
AWS_SECRET_ACCESS_KEY=secretkey
AWS_DEFAULT_REGION=us-east-1
AWS_URL=http://homestead:9600
バケットをセットアップするには、Homestead設定ファイルにbuckets
ディレクティブを追加してください。
buckets:
- name: your-bucket
policy: public
- name: your-private-bucket
policy: none
サポートしているpolicy
の値は、none
、download
、upload
、public
です。
ポート
以下のポートが、Homestead環境へポートフォワードされています。
- SSH: 2222 → フォワード先 22
- ngrok UI: 4040 → フォワード先 4040
- HTTP: 8000 → フォワード先 80
- HTTPS: 44300 → フォワード先 443
- MySQL: 33060 → フォワード先 3306
- PostgreSQL: 54320 → フォワード先 5432
- MongoDB: 27017 → フォワード先 27017
- Mailhog: 8025 → フォワード先 8025
- Minio: 9600 → フォワード先 9600
追加のフォワードポート
ご希望ならば追加のポートをVagrant Boxへフォワードすることもできます。プロトコルを指定することもできます。
ports:
- send: 50000
to: 5000
- send: 7777
to: 777
protocol: udp
環境の共有
共同作業者やクライアントと、現在作業中の内容を共有したい場合もあるでしょう。Vagrantには、vagrant share
により、これをサポートする方法が組み込み済みです。しかし、この方法はHomestead.yaml
ファイルに複数サイトを設定している場合には動作しません。
この問題を解決するため、Homesteadは独自のshare
コマンドを持っています。使用を開始するには、vagrant ssh
によりHomesteadマシンとSSH接続し、share homestead.test
を実行してください。これにより、Homestead.yaml
設定ファイルのhomestead.test
サイトが共有されます。homestead.test
の代わりに他の設定済みサイトを指定できます。
share homestead.test
コマンド実行後、ログと共有サイトへアクセスするURLを含んだ、Ngrokスクリーンが現れます。カスタムリージョン、サブドメイン、その他のNgrok実行オプションをカスタマイズしたい場合は、share
コマンドへ追加してください。
share homestead.test -region=eu -subdomain=laravel
Note: Vagrantは本質的に安全なものではなく、
share
コマンドによりインターネット上に自分の仮想マシンを晒すことになることを覚えておいてください。
複数のPHPバージョン
Homestead6から、同一仮想マシン上での複数PHPバージョンをサポートを開始しました。Homestead.yaml
ファイルで、特定のサイトでどのバージョンのPHPを使用するのかを指定できます。利用できるPHPバージョンは、"7.1"、"7.2"、"7.3(デフォルト)"です。
sites:
- map: homestead.test
to: /home/vagrant/code/my-project/public
php: "7.1"
さらに、コマンドラインではサポート済みPHPバージョンをすべて利用できます。
php7.1 artisan list
php7.2 artisan list
php7.3 artisan list
Webサービス
HomesteadはNginxをデフォルトのWebサーバとして利用しています。しかし、サイトタイプとしてapache
が指定されると、Apacheをインストールします。両方のWebサーバを一度にインストールすることもできますが、同時に両方を実行することはできません。flip
シェルコマンドがWebサーバを切り替えるために用意されています。flip
コマンドはどちらのWebサーバが実行中かを自動的に判断し、シャットダウンし、もう一方のWebサーバを起動します。このコマンドを実行するには、HomesteadへSSH接続し、コマンドをターミナルで実行してください。
flip
Homesteadは、デフォルトで1025
ポートをリッスンする、Postfixメールトランスファーエージェントを用意しています。そのため、localhost
の1025
ポートに対して、smtp
メールドライバーを使用するように、アプリケーションへ指示できます。その結果、すべての送信メールはPostfixにより処理され、Mailhogにより補足されます。送信済みメールを確認するには、Webブラウザでhttp://localhost:8025を開いてください。
ネットワークインターフェイス
Homestead.yaml
ファイルのnetwork
プロパティは、Homestead環境のネットワークインターフェイスを設定します。多くのインターフェイスを必要に応じ設定可能です。
networks:
- type: "private_network"
ip: "192.168.10.20"
ブリッジインターフェイスを有効にするには、bridge
項目を設定し、ネットワークタイプをpublic_network
へ変更します。
networks:
- type: "public_network"
ip: "192.168.10.20"
bridge: "en1: Wi-Fi (AirPort)"
DHCPを有効にするには、設定からip
オプションを取り除いてください。
networks:
- type: "public_network"
bridge: "en1: Wi-Fi (AirPort)"
Homesteadの拡張
Homesteadのルートディレクトリにある、after.sh
スクリプトを使用し、Homesteadを拡張できます。このファイルの中へ、適切な設定や仮想マシンのカスタマイズに必要なシェルコマンドを追加してください。
Homesteadをカスタマイズすると、Ubuntuはパッケージのオリジナル設定をそのままにするか、それとも新しい設定ファイルでオーバーライドするかを尋ねます。これを停止するには、Homesteadにより事前に記述された設定の上書きをパッケージインストール時に無視するように、以下のコマンドを使用してください。
sudo apt-get -y \
-o Dpkg::Options::="--force-confdef" \
-o Dpkg::Options::="--force-confold" \
install your-package
Homesteadの更新
簡単な手順で、Homesteadをアップデートできます。最初にvagrant box update
コマンドを使い、Vagrant
boxを更新してください。
vagrant box update
次に、Homesteadのソースコードを更新する必要があります。リポジトリをクローンしている場合は、リポジトリをクローンした元のディレクトリで、以下のコマンドを実行してください。
git fetch
git checkout v8.0.1
上記のコマンドにより、最新のHomesteadコードがGitHubリポジトリよりpullされ、最新のタグをフェッチし、タグ付けされた最新のリリースをチェックアウトします。安定リリースバージョンの最新版は、GitHubリリースページで見つけてください。
プロジェクトのcomposer.json
ファイルによりHomesteadをインストールしている場合は、composer.json
ファイルに"laravel/homestead": "^8"
が含まれていることを確認し、依存コンポーネントをアップデートしてください。
composer update
最後に最新のVagrantバージョンを使用するために、Homestead Boxを破棄し、再生成する必要があります。そのために、Homesteadディレクトリで以下のコマンドを実行してください。
vagrant destroy
vagrant up
プロパイダ固有の設定
VirtualBox
natdnshostresolver
デフォルトのHomestead設定は、natdnshostresolver
設定をon
にしています。これにより、HomesteadはホストのオペレーティングシステムのDNS設定を利用します。この動作をオーバーライドしたい場合は、Homestead.yaml
へ以下の行を追加してください。
provider: virtualbox
natdnshostresolver: off
Windowsでのシンボリックリンク
Windowsマシンでシンボリックリンクが正しく動かない場合は、Vagrantfile
に以下のコードブロックを追加する必要があります。
config.vm.provider "virtualbox" do |v|
v.customize ["setextradata", :id, "VBoxInternal2/SharedFoldersEnableSymlinksCreate/v-root", "1"]
end